研究

「声と健康」に関する研究成果

超高齢化社会をむかえた日本において、真の「健康寿命」を考えるとき、【話せる】という能力は、食べられる、歩けるとともにその3大要素となるべきと考えます。このたび、「声と健康」というテーマに関する研究グループを立ち上げました。筑波大学名誉教授・城生佰太郎先生のご指導をいただき、日本実験言語学会と有限会社げんごろうが協力し、まず「声年齢の評定尺度化」に関する基礎研究を行いながら、朗読現場で検証を行います。なお、本研究会は3カ月ごとに定期的に開かれており、会員相互での活発な議論が展開されています。【声とことば】という切り口から高齢者の健康を考える、革新的なプロジェクトです!

サウンド・スペク トログラム(SPG)を用いた
音響音声学的研究

実証実験データ

研究グループメンバー

「声とことば」が高齢者の心身の健康にいかに重要であるかを各分野の専門家とともに研究し、介護予防等の現場で実際に検証しています。長年に渡る研究データ及び実証実験データを教育プログラムや介護予防、認知症予防などのプログラムに反映し、自治体や企業での取り組みにおいて、高い評価を得ています。

城生 佰太郎

筑波大学名誉教授

1946年 東京都生まれ
1971年 東京外国語大学大学院外国語学研究科修了 博士(学術)

筑波大学名誉教授
専攻 実験音声学、アルタイ言語学
日本実験言語学会顧問
日本音声学会評議員、日本歌曲振興・波の会
名誉会員、TBS制作『キャットチャット』監修

著書
『実験音声学入門』、サン・エデュケーショナル、2008
『旅のお供に今すぐ使えるモンゴル語入門』、勉誠出版、2007
『日本音声学研究―実験音声学方法論考―』(平成16年度科研費による助成出版)、勉誠出版、2005
『モンゴル語母音調和の研究―実験音声学的接近―』(平成16年度科研費による助成出版)、勉誠出版、2005
『アルタイ語対照研究―なぞなぞに見られる韻律節の構造―』(平成12年度科研費による助成出版)、勉誠出版、2001
「音声研究の方法」『コンピュータ音声学』(編著)pp,9-45、おうふう、2001
『日本語音声科学』、サン・エデュケーショナル、1998
『実験音声学研究』(平成9年度科研費による助成出版)、勉誠社、1997
『ことばの未来学』、講談社現代新書、1992
『音声学 新装増訂3版』、サン・エデュケーショナル、1992
「現代日本語の音韻」『岩波講座日本語第5巻、音韻』、pp.107-145、岩波書店、1992
『一般音声学講義』2008
勉誠出版と、城生佰太郎・福盛貴弘・斎藤純男編著『音声学基本事典』、勉誠出版 2011
ほか、著書・学術論文多数

高村 めぐみ

愛知大学准教授

出身学校・学位: フェリス女学院大学大学院人文科学研究科 博士(文学) 専門

分野・研究テーマ: 日本語教育、音声学/日本語音声指導、日本語の韻律の特徴

桐越 舞

大東文化大学非常勤講師

埼玉県出身

筑波大学人文社会科学研究科修了、博士(言語学)

研究領域は実験音声学、専門分野は言語のリズム。俳句・短歌・詩といった韻文の音読を中心に、音響分析や記述調査を行っている。

平尾 登紀子

有限会社げんごろう代表

有限会社げんごろう(言語朗)代表/NPO法人声とことばの力代表

桜美林大学大学院言語教育研究科日本語教育学修士

朗読講師を継続しながら、脳梗塞による言語障害を克服してゆく中で、日本社会が抱える高齢化問題の解決に、長年培ってきた朗読や群読のプログラムが有効であると確信。
(地独)東京都健康長寿医療センターとともに「認知症予防朗読プログラム」を開発。
現在介護予防・福祉分野で指導を行うとともに、指導者養成にも力を注いでいる。

平尾 麻衣子

有限会社げんごろう

有限会社げんごろう(言語朗)取締役営業部長/NPO法人声とことばの力 事務局長

明治大学農学部卒、筑波大学大学院人間総合科学研究科体育方法学修了

運動学の知識を活かし、介護予防・福祉分野で活用できる「声と身体」のトレーニングメ ニューを研究・開発、行政主催の介護予防事業や介護・福祉施設で指導を行っている。2017年に実験音声学、日本語教育の有識者と共に「声と健康研究 グループ」を立ち上げ、声の健康の評価尺度の作成、言語機能維持・向上に効 果的なオリジナルプログラムの開発も手掛ける。

認知症予防脳トレ士、レクリエーション介護士

藤原 佳典

医学博士

東京都健康長寿医療センター研究所社会参加と地域保健研究チーム チームリーダー(研究部長)

北海道大学医学部卒、京都大学病院老年科

世代間交流・多世代共生の地域づくり・ソーシャルキャピタルの視点から、高齢者の認知症予防・フレイル予防について研究している。内閣府高齢社会対策の基本的在り方等に関する検討会委員、厚労省一般介護予防事業等の推進方策に関する検討会委員他、多数の自治体の審議会座長を歴任。

著書
『地域を変えた「絵本の読み聞かせ」のキセキ』その他

鈴木 宏幸

心理学博士

東京都健康長寿医療センター研究所社会参加と地域保健研究チーム 研究員(係長)

2008年より東京都老人総合研究所にて社会参加活動と認知機能の関連に関する研究に従事。同時に「もの忘れ外来」にて受診患者の認知機能評価に携わる。以来一貫して高齢期における社会参加活動並びに心身の健康に関する研究や、認知機能評価検査の開発・認知機能低下抑制を目的とした実践的研究に従事。

著書
『認知症対策の新常識』その他